躓き

昨日の末から断続的に
小さな一年間があり
天気の名前を作って
折り畳んでいく
優しい、誰かのために
二言三言の伝言と
朝用の傘を残しておいた
雨の中身が水になる瞬間の
映し出される風景が好き
ずっと眺めていたいのだけれど
やがてそれらは
緩やかに弧を描いてなくなる
目を瞑る
そっと動かしてみる
動かせるところが
多分わたしの身体
狭く許された範囲
遠くまで見慣れた陸橋と
数行の願いでできた校歌のある街
手を振りながら力尽きていく
合唱部や関係者のみなさん
本当はあんなふうに
なれたはずだった
午前と午後が順序よく
繰り返される日々の途中で
ある日わたしは
うっかりと躓いてしまった

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