またひとり

障害を持って産まれ
障害を持って生きて
障害を憎んで生きて
死んだ。

自分の底を見せない
自分の底を言わない
他人に感謝している
そんな友だった。

懸命に障害を治そうと
していた
寝ても覚めても
訓練をしていた。

手を動かしたり
字を読めるように
なるために新聞を
読んでいた。

普通に歩いている人
普通に字を読んでる人
普通に喋れる人
訓練をしないで生きられる人。

    普通に恋愛をする人
普通にデートする人
感謝をしないでいい
感謝をしても出来なかった。

いつかデートするんだと
黙々と訓練を続けた
自分は駄目な人間だと
思い込んでいた。

いつも冴えない顔
ずっと家の中
何をしたかったのか?
知らない。

素直でまじめな人間
不真面目で適当に
してきた奴らが
気ままにしてる。

死ぬまで障害が治らない
治そうとしないで
そのままの姿で・・・。

僕の友がまたひとり

投稿者

山口県

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