踏切
開いては閉じ閉じては開く
閉じれば車や人の移動は滞り
開けば車や人はせかせかと渡る
かんらかんらと笑い声のような
あたまに響く音色を発しながら点滅する赤色の光は
止まっている間にも時間は進むのだと
そうあざ笑うかのように瞬いている
悔しくて踏み出せば体と頭は分断されて
明滅とは違う生臭い赤が飛び散るだろう
そんな妄想をしながら独り身を震わせて
警笛もなく眼前を轟音が通り過ぎるのを待つばかり
開いては閉じ閉じては開く
閉じれば車や人の移動は滞り
開けば車や人はせかせかと渡る
かんらかんらと笑い声のような
あたまに響く音色を発しながら点滅する赤色の光は
止まっている間にも時間は進むのだと
そうあざ笑うかのように瞬いている
悔しくて踏み出せば体と頭は分断されて
明滅とは違う生臭い赤が飛び散るだろう
そんな妄想をしながら独り身を震わせて
警笛もなく眼前を轟音が通り過ぎるのを待つばかり
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コメント
踏切は異世界への入口なのかもしれませんね。踏切のある何気ない日常も考えてみれば、今まで普通に通れた道がいきなり遮断棒で封鎖されるのは異常なことだし、カンカンという自動踏切警報機の音も日常生活ではあり得ない異様な音です。
我々にできることは、異世界に引き込まれないように、ただ時間が過ぎることを待つことだけ。
そのような異世界への入口、探せばいたるところにありそうです。
@たけだたもつ 様
異世界の入り口、素敵な表現です。最近はやりの転生小説なんかでもありますが、息絶えることがきっかけになっていますよね。踏切は死ぬことのできる場所と今生きている場所を隔てるような、そんな思いもありつつ。
きっと本当に何気ない、次の瞬間が異世界への入り口。部屋の扉から出た瞬間に冒険は始まるのかもしれません。