ロンド

 月の夜の そぞろ歩きは
 そぞろ歩きが楽しかった
 木蔭の接吻は
 官能だけが感じ取っていた
 甘い酒をのむ時は
 酒だけが 私を酔わせていた
 ただそれだけ

  (遠い日に ヴェスヴィアス山の煙の下
   馬車走らせし女の映画みたり)

 思う事の全てに
 果てのないことを知った時、
 自分の背中が気になった

 嘲り笑っているのではないか

 悲しみの果てに享楽があり
 その後に虚しさが待っていることを知っていた
 逃げ出すために
 再び享楽

 何処までいっても同じ事 と
 胸と背中が互い探り合っているのを感じる

投稿者

滋賀県

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