旅酒

 恋谷橋から
 ぶらり ぶうらり
 かじか橋 まで

  冬 近く
  短い草の茂る川べり
  ひとり、しみ入ってくる
  温泉のネオンサイン

 風の度そよぎ立つ
 せせらぎは
 人恋を遮ろうとしているのか

 胸の中を
  希望の重み
   からみ合って ねじれ合って
 心は 投げ飛ばされたまま
 もはや元に戻る事も知らないのに

 全て 私のきまりが私を縛ったにすぎない

 そして
 このごろは踏みしめる足もと
 力なんぞ 要らない
 唯、今日
 唯、今
 美しくて
 満足していたい 
 と思う 私を今宵
 酔わせる「旅酒39番 鳥取砂丘」

投稿者

滋賀県

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