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誰かに
呼ばれたような気がして
振り向くと
視界の端を掠める薄紅色
何処かに
落としてしまった名前を
ひたすら
探し回っているうちに季節は
わたしの
猫背を追い越していった
もう一度
誰かに
呼ばれたような気がして
振り向くと
薄紅色の向こうで手を振る
あなたは
すっかり春だった
誰かに
呼ばれたような気がして
振り向くと
視界の端を掠める薄紅色
何処かに
落としてしまった名前を
ひたすら
探し回っているうちに季節は
わたしの
猫背を追い越していった
もう一度
誰かに
呼ばれたような気がして
振り向くと
薄紅色の向こうで手を振る
あなたは
すっかり春だった
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コメント
くるであろう春のリズムに、ほろろっとします。
待ち遠しい、けれどもっと冬を感じさせて、という嘆きを自身にやっちゃいました(わがまま)。
紅梅でしょうか。先週、湯島天神を訪ねました。梅が咲き始めていました。呼ばれたような気がして、というのはわかります。もうすぐ立春ですね。
@ぺけねこ さん
>コメントありがとうございます
桜の写真に差し替えてもそのまま使える代物です(笑)
少しフライングだったかもしれませんね。
この時期は花が咲いたり雪が降ったりして
心と身体のリズムも不規則になって、困ります。
@長谷川 忍 さん
>コメントありがとうございます
小石川後楽園の紅梅、だと思います。
冷たい風の中、うつむきがちに歩きながら
視界の端っこに揺れている色に気づいて、ふと振り返る
まさに呼ばれたような感覚になりますね。
小さな春を見つけながら歩くこの時期は、わりと好きです。