黒板
雨の初日
都会にも雨が降った
たくさんのものが濡れて
雨音の音や
雨水の水が
ふとした街路の様子を
美しく満たしていく
人混みの中で感じる
植物の吐息
どうしても
辿り着けない教室がある
生命はそこにあるはずなのに
風の通り道だけが
川のように流れる続ける
あなたが笑う
はにかんで笑う
地下鉄の色をしきりに
気にしているけれど
繰り返される季節にも
わたしたちの耳は
ようやく馴染んだのだった
薄い層のカーブを曲がり
その先に溶け出す熱の塊
黒板に文字を書くと
わたしたちの拙い都会は
そこで終わる
コメント
こんばんは。この作品は解剖しようとしてもなかなか難しいですね。
ただ五感が欲しています。何回読んでも飽きません。
素敵な作品です。
@レタス
レタスさん、コメントありがとうございます。いいお年頃になって、昔のように詩を書けなくなってきました。最近は気になった言葉や気に入った言葉を並べて、そこに意味を求めるのではなく、その隙間の意味にならないところにもしかしたら、何か生きること死ぬことの意味が表現できるかも、という淡い期待を持って書くことが多くなりました。
おはようございます。私は評論が苦手で解らないのですが、たけだたもつさんの詩には
何時も魅了させられます。詩に意味をもたせる必要性は在るのか疑問です。抽象的であ
るのも芸術ですね。
声に出してみました。
何度か。
やはり
詩は文学なのでしょうね。
@wc.
wc.さん、コメントありがとうございます。
詩は文学
それ、昔、わたしがwc.さんの「つづら坂」につけたコメントだ 笑