六等星
信号の灯りすら消えても 僕らの世界は終わらなかった
いつもより鮮明に見える星空のせいか
ただひたすら 無意識に上を向いて歩いた
どこへ向かっているのか 何を失ったのかもわからないまま
ただひたすら 昨日まで道だったものの上を歩いた
直視できない街の中を ヘリとサイレンの音が支配しても
ただひたすら 声を出すために 声を聴くために 祈りをにぎりしめて歩いた
他人の悲しみに心を痛める人たちが無力なわけがないと
ただひたすら 遠い町から来た戦士が この土地の勇士が 人命と暮らしを繋いでいるのを見た
レンズを向ける事すらできない我々の背中を押すように
ただひたすら ただひたすら あの日からずっと 歩いている
失意の果てに 光りよあれと
コメント
コメント失礼いたします。
星空を見上げる人々の、苦しみと祈りとをおもいました(私などに推しはかれるものでもありません)。
コンクリートがふってきたり、信号は消え、路面は裂け、東日本大震災の、大きな波打つような揺れではなく、下から瞬間、突き上げるような、衝撃。だったのだろうと、想像します(映像も、みて、)。
皮肉にも、街の灯りが消えたことで、照らされる星と人と。
六等星、という題に、現実を見据えた、作者の目が(今が)、映し出されるようです。
乱文、失礼しました。。
@ぺけねこ さま
コメントありがとうございます。また、報道等を見ながら、能登に心を寄せてくださったのだろうと思います、重ねてお礼申し上げます。自分自身を励まし、気持ちを少しでも軽くしたくて投稿させていただきました。皮肉や矛盾に満ちた現実を生きている、それでも光りを求めて進め、という思いを表現できたのかなあと思います。