カアデガン
彩色のない顔をした身ごもった女が
極彩色のカアデガンを羽織った男の
遺体に寄りそっている
女は涙の数よりも口の数のほうが多い
目や鼻や耳も口になってしまっている
女は妊婦に見えたが腹は空だと話す
男を長年の連れ添いで内縁だと話す
死の手法について尋ねたが知らないと答える
故郷に帰るのかと尋ねたが知らないと答える
そのカアデガンはどこで買ったのだ
最後に私が尋ねると 女はすぐさま
高島屋だと答えた
彩色のない顔をした身ごもった女が
極彩色のカアデガンを羽織った男の
遺体に寄りそっている
女は涙の数よりも口の数のほうが多い
目や鼻や耳も口になってしまっている
女は妊婦に見えたが腹は空だと話す
男を長年の連れ添いで内縁だと話す
死の手法について尋ねたが知らないと答える
故郷に帰るのかと尋ねたが知らないと答える
そのカアデガンはどこで買ったのだ
最後に私が尋ねると 女はすぐさま
高島屋だと答えた
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コメント
何とも言えない質感のある詩。心のひだの気持ち悪いところを撫でていって、それが心地良さになる。最後もいいな。
@たけだたもつ
感想ありがとうございます。
夢を見ている感覚で書いたので、妙な感じになりました。
題名いいよねーなかなか自分の求める答えは返ってこないのよねー〈高島屋〉固有名詞持ってくるのもいいよねー
@三明十種
どうもありがとうございます。
カーディガンなら西友になっていたかもしれません。