星屑
一つの星屑が終わった
そして引き続き
「ああ終わった」とため息をついた
「本当の私ではないと思う」
と言った
それから浅はかな一抹の想いだけが
夢のように砕け散った
その跡を訪ねて歩いて
安堵のため息をついた
珈琲を注いで ゆっくり注いで
澄んだピアノの音色は
具体的に言えば初恋である
百年前にもこんな良い天気の日はあったのだろうか
いや僕たちが出会わなければきっと……
きっと天気が僕たちを変えるのではなく
僕たちが天気を変えるのだから
、と
このようにしてまた一つの星屑は終わった
コメント
星の屑だから終わってもそれはそもそも儚くも認知されない終わりなのかな。
市井の人の生活や命もだいたいそうだろう。
巷に日々成就したり破れたりする恋もあたりまえにそうだろう。
、と読んでいてこれは自意識への厳しい戒めなのかもしれない。
、これこそ星屑なのかもしれない。
>王殺しさん。良いですねー。いつも素敵なコメントありがとうございます。
いま、輝いて見える星は、何百年前の光で、もう終わった星屑たちかもしれないということを知りながら、人は流星に祈ったりして。
>timoleonさん。そうですよね。私たちが見ている星々はすべて過去の姿ですよね。と言いますか、驚くべきことに、星たちだけでなく、言うまでもなく、実は、私たちが見ているすべては(もし時間というものが存在すればの話ですが)すべて過去の姿なのですよね。