忘却の絵画
”忘れたかったことを忘れないために”
矛盾に泣き喚きながら描いたのは
その風景と、その笑顔と、その想い出
どうしても忘れたいと思っていたころは
忘れたくても、忘れられないもので
毎晩のように夢に出ては、私を苦しめて
どうしても思い出したい今となっては
思い出そうにも、思い出せないもので
毎日のように頭を抱えては、唸るのです
描いたものは、どこへいったのだろう
ほこりをかぶっているのだろうか
もはや、存在しないのではないか
だから私はまた描くしかないのです
忘れたものを探し求める私の姿を
私に忘れられてしまったものの姿を
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