青い朝
心がざわざわする。自分だけまだ令和2年にいる気がしてしまう朝。
文通してくれませんか。
という匿名の手紙が下駄箱に入っていた日のことを思い出す朝。
曜日と時間の感覚がない朝。
消毒液も化粧水も私を守るためのものが全部傷跡にしみる朝。
家から出られなかった日のことを思い出す朝。
背中さすってくれる人をサブスクしたいと呟く朝。
知らない人が空を見上げて傘を閉じる瞬間を見かける朝。
鼓膜に音楽を流し込んで人間を保つ朝。
大丈夫、大丈夫、大丈夫。自分に言い聞かせる朝。
ふくよかな野良猫に救われる朝。
君に祈りを捧げる朝。
”青い朝”って、
ほろ苦くてうっすら甘くて少し涙の味がしそう。
コメント