ルラシオン

ルラシオン

菌糸のうみにうかぶ足たち
豊穣な銀の糸は
かれらの自由をうばう

かかとのふるい角質
は煤けた白黒写真
萎びてやぶれ
みづから生まれかわる

蒸留された足たち
が波のあいだからあらはれる
かれらのあたらしい細胞は
暈けたまちなみの写真

うみをただよう足たち
はゆっくりと丘にあがり
雑踏の人塵となる
銀の糸を引きづりながら

ぼくらを閉じ込めるルラシオン

投稿者

広島県

コメント

  1. 言葉のどれもが、いきいきとしています、それは無理なく、それは陸地を歩きます、呼吸している、存在です、むなしくはないのです。

  2. 詩で言葉が活かされていたとは、とても嬉しいことです。虚しさから遠くへ行けていたなら、なおさらです。

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