橙色のセーター

 うつくしい
 目に見えぬ砂ぼこりに
 高い樹々が 小さな流れを抱いて茂り

 不思議なほど
 ぼうっと 目蓋に映る
 咲きもしない白い小花

 伊吹の頂に残る雪
 田圃はまだ すきかえされていない
 そんな時
 伊吹山から直接吹く風が冷たくて
 こぶしを握りしめて歩いた

 かつて春照という村が伊吹町になり
 現在の米原市
 とある農家の庭に
 柔らかそうなセーターが干してあったのだ

 午後の天空は晴れながら
 しづかに 山から流れくる
 沫雪
 橙色のセーターの
 うづきの様なものが、私の胸に響いてきた

投稿者

滋賀県

コメント

  1. 読めて良かったです。
    だんだんセーターに収束して
    自分の感情を、乗せられたのかなと。
    もっと書きたいですが、もう現時点で
    不粋をつらぬいて不水からっからの感想になってますから、辞めておきます。
    私では無理だなあ。
    いいなあ

  2. @wc.
      様へ

     どうもありがとうございます!m(_ _)m お読みいただきまして
    ご感想のお言葉を、お寄せくださり大変嬉しいです。^ ^
     この詩は、アルゼンチン出身のタンゴ音楽作曲家アストル・ピアソラの
    「チキリン・デ・バチン(バチンの少年)」を聴いて、書いた作品です。
    曲の旋律が、私にとっては…この作品のイメージだったのですぅ。
     近ごろ書きましたものの中では、特に自分で好きな詩だと言えます。
    それで公開致しました。(^ ^)
     wc様に喜んでいただけまして、とても嬉しく良かったと思っております。♪

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