素心
あきらかに、めいかくに
語られる言葉であれば
すなわち別れ来たことどもは
ふくしんと呼ばれるべきであろうか
ちゃらん、ちゃらん、ひとはうつくし
ほどけたるこころはさらに
冥土へと行くとし聞けばさらなり
あられふる、わらの屋根にはあられふる
春は近づけりとおみなごは言えり
その花はいづこに咲ける花なるかと問えば
あらうるわし、こなたかなた、ひらけたる野にいづる
ウラジミールは言うよう
ロリータの細き手足われはもとめん
すなわち絶対矛盾的
自己同一の世界なればこそ
劣情はわきあがり、われは劣情す、すなわち劣情す
つつみかくさず言うとすれば
なおも、なおも、親密に花は散る
けだしおぼろげなるわが世界
ユリカモメ、なみにゆられるわが世界
秩父山、春霞かかれり
淡の海、鮎は光の下をおよぎゆく
さあれ、春の万物はしたしみてわれにかたれり
となりにて眠れるおみなごにキスをする
はるかぜよ
やるせなき、わがはるかぜよ
このくちびるは
われのものなり。
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