クリスマスプレゼント
サンタさんにお願いをした。
“プレゼントを下さい。”
サンタさんは私に聞いた。
“どんなプレゼントがいいかい?”
私は目をキラキラさせてこう言った。
“アイドルの衣装が欲しい!”
クリスマスの朝、プレゼントが置いてあった。
大きな箱にはキラキラピンクの包み紙。
金のリボンを解くたび、ワクワク、ワクワク。
包み紙を破るたび、ワクワク、ワクワク。
思い切って蓋を開けてみた。
一中には白いウエディングドレス。
ベールにブーケも付いてきて、
ダイヤの指輪も入っていた。
そして知らない男の人の顔写真。
赤ちゃんのエコー写真。
どうして?アイドルの衣装じゃない!
私はすっかり機嫌を損ねて、
“こんな物いらない!”
とプレゼントをゴミ箱に捨てた。
その次の年から、サンタさんは来なくなった。
おばちゃんになった私はいつまでも、アイドルになる夢を追いかけている。
コメント
少しずつずれて、歪んで、そこがまた夢を見ることの切なさを見せてくれていると思います。
@たけだたもつ様
はじめまして(・∀・)★
コメントありがとうございます
夢見がちな子どもと現実に目を向けるよう教え諭す親の関係をサンタやクリスマスの中に当て込んでみました。