おんな
わたしは
いつからおんなになったのでしょう
エスカレーターに乗る時は
パパと手を繋ぎます
わたしの
おとうさんゆび
おかあさんゆび
おにいさんゆびが
絡んで汗をかきます
小さな飴玉みたいな
秘密です
観測されないものは
なかったことと同じだと
男の人は言いました
天井に描かれた宇宙の下で
セックスした後の男の人は
なにを見ているのか
わからなくて
覗き込んでしまいます
たとえば、
誰も見なかった流れ星
小さすぎる地震
手のうちにあった小さな飴玉
知っている男の人が
親指
人差し指
中指と
順番に開いていきます
そこは
かすかに甘い匂いがします
コメント
ええー!
グッと来ました
素敵です
初恋で、3歳くらいから、父娘関係のなかであれこれ思い巡らすうちに感性が細やかになっていく…