さよなら

さよなら
さよなら
さよなら

さよならを
何度も
となえる

あなたにではなく
たぶんわたしに

あるいは

あなたといたわたしに
あなたを
愛したわたしに

さよなら
さよなら
さよなら

どうかお元気で

もう

あの通りを
歩くことも

あの本屋を
覗くことも

ないでしょう

だから
もう
さよなら

あの暑すぎる
夏のわたしたち
短い秋のわたしたち
長く厳しかった冬の
かたわらで
心を寄せ合って生きた
わたしたち

さみしい春が
通り過ぎたら

瞬く間に
また新しい夏が
やって来て

すべてを
ちゃんと

忘れられますように

投稿者

コメント

  1. コメント失礼いたします。

    鎮魂、のようなものを最初感じましたが、最終連での余韻のおかげで、ぎゅっと今に引き戻されたような感覚です。
    「さよなら」という言葉にはポジティブさを感じる気がします。

    追伸:
    このさよならの繰り返しで、ある解説者を連想しちゃいました。

  2. 自分に優しく、相手にも優しくなれるような、とても悲しいけれど前向きな気持ちがひししと伝わってきました。

  3. @ぺけねこ
    さん、コメントありがとうございます。
    お返事が今になってしまって、本当に失礼致しました。
    鎮魂、と言っていただいて、なんだかはっとしてしまいました。
    私の魂も鎮められた気がします。
    (この「さよなら」がおっしゃるようにポジティブになりますように!)
    コメントをお寄せ下さり、ありがとうございました。

    追伸:
    映画の方ですね!私も今読み返してみて、あの方のお顔が思い浮かびました(笑)

  4. @ザイチ
    さん、コメントありがとうございます。
    そしてお返事が今になってしまい、本当に失礼致しました。
    「自分に優しく、相手にも優しく」と言っていただいて、
    何かが昇華されていくような気がしました。

    まだ時々後ろを向きそうになる時がありますが、
    ゆっくりでも前を見て歩いていきたいと思います。

    ありがとうございました!

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