小石

日本海に春の来た時
静かに 目をとじてみると
生命ない小石は激しい息吹をもらす

波、寄せる毎
丸くなり
カラカラ カラカラ
妙に乾いた音たてて
踊り上がりながら海の碧に転げこむ

その水底の黒さも 深さも知らず
絶え間なく転がりこみ
橋立の湾を出て
果てなく続く潮を思うのか

お前は歌い続けるのだ
私の命終えた 幾万年を

深海の流砂は水晶の水滴となって
やがて
お前の上に降りつみ

異国の船のかけらや
真白な美しい人骨にかこまれて
どこかで休息する日まで

投稿者

滋賀県

コメント

  1. 凄い表現力 言葉も出ません

  2. @かみる
       様へ

     コメントをくださいまして、どうもありがとうございます!
     お褒めのお言葉をかけていただき、とてもありがたく、心から
    嬉しく思います。m(_ _)m
     この作品は、自分で納得いくまでに三度、改訂いたしました。
    なかなか……想うように描きますことは、むずかしいですぅ。

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