形骸

形骸

言いたいことなんてもう何もないのに
それでもただここにこうして立っている

すると誰かがやってきて
呆れたり
面白がったり
頼ってくれたり
あるいはひょっこり顔を出して
映えもしない写真を一緒に撮ったり
したんだ

詩の一節を
あるいは一編のすべてを
括弧にして抜き去ってしまったなら
誰かが好き勝手に何かを投影して
言葉を埋めたりそのままにしたり
するんだろう

枠さえいずれ朽ちゆく中で
今まであったものがなくなると
それは新しくあるということが始まるのだ

投稿者

千葉県

コメント

  1. 想像が膨らみますね。どんな言葉を入れてみようか。短い詩がよいかも。…ドライバーを刺激しない程度の。

  2. 人の写真や絵を見るのは、自分が気付いてもいないものの輪郭が浮き出ているから好きです。
    詩もそうです。
    まさに誰かであると感じます。

  3. @長谷川 忍
    さん、コメントありがとうございます。
    短い詩、良いですね。
    頽廃と意味の欠損みたいな、私の大好物を見つけてしまった結果出来上がった画詩です。

  4. @たちばなまこと
    さん、コメントありがとうございます。
    「自分が気付いてもいないものの輪郭が浮き出て」
    まさにまさに、激しく同意します!
    たちまこさんのこのコメント、なんか言いたいこと言ってくれたみたいな嬉しさがあります。

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