嫉妬
なぜあいつは、俺のしたいことを、俺のできないことを
なぜあいつは、こうもやすやすとやってのけるのか
羨ましい、あんなことができるなんて
妬ましい、あんなことができるなんて
俺がやれば、俺がやっても
あいつを越えられない、あいつには敵わない
畜生、なぜなんだ
あいつにできて俺にできないはずがない
俺にはできずに、なぜあいつにはできるのか
どうすれば、あいつを越えられる
努力するのか、努力しかないのか
だがあいつには、才能があるに違いない
なぜだ、なぜあいつには才能があるんだ
なぜだ、なぜ俺には才能がないんだ
才能は、努力で追い抜けるのか
才能は、いわば原石だというじゃないか
川底の石は、磨けばきれいになれるのか
灰色の、泥をかぶったこの石が
煌めく透明な、そんな石であれば
あいつと俺とには、それぐらいの差があるんだ
そう思い込まなければ、俺はあいつと笑いあえない
もし、あいつと俺は、もとは同じ石であったなら
あいつと俺は、どういう仲だっただろう
嗚呼、女々しいな、俺は
羨ましいよ、あいつのすべてが
羨ましいよ、あいつと心から笑いあえる俺が
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