ヤー・チャイカ
船の窓から宇宙を眺めると中性になる
雲は薄っぺらな模様になって
海の青のところどころに
赤茶色と緑とに塗られた陸地が
安物のTシャツのプリントになっている
そのプリントの上で
生まれては死に
死んでは生まれる
連鎖を断ち切る
愚かな行為にさえ
微笑んでいるしかない神
彼女はペンギン系だからね
井戸の底の真の闇は
宇宙よりももっと暗い
肉体の感触を消し去って
頭でっかちで自分勝手に
LINEスタンプを送ってそれきり
存在そのものを否定する
弱い電波でも
話しかければまだ
ボイジャー1号はかすかに答えてくれる
素粒子の雨に身を削りながら
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