鶴見川

鶴見川を渡る

川とは
あの世とこの世の境
すべからく
夕陽の名の元に照らし出される

鶴見川を渡る

私はあなたの所に行けない
瞬き一つ分の命で
体という体が軋んでいるのに
行けやしない

鶴見川を渡る

私はまだ想いをなんと呼ぶか分からず
名前をつけることも出来ず
水面を流れる光のようだと思いながら
足元の影を見詰めている

鶴見川を渡る

「帰ることもできるよ」
手を引いて小さな私が言う
「だからいつかただいまって言ってよ
お帰りって言うから」

鶴見川を渡る

「もう戻らないものもあるんだ
どんなに傍に居たいと願っても
失ってしまうものもある
だから」

鶴見川を渡る

あなたに会いに
あなたを愛するために
あなたを抱き締めて
あなたを離さないように

投稿者

神奈川県

コメント

  1. すぐそこに見えるのに
    どうしても渡れない切ない距離がある
    だから人はぼんやりと川を眺めてしまうのですね。

  2. @nonya
    川の向こうに何があるのか、お互いに
    永遠に分からないままだというのに、
    川があることだけは分かるのって、残酷だと思います。
    有り難うございます、

  3. 私の実家からいちばん近い川が鶴見川でした。…といっても、自転車で15分くらいかかりましたが。河口に近いほうですね。鶴見川の、こちらと、あちら。久し振りに川べりを歩いてみたくなりました。

  4. @長谷川 忍
    実家から1分程度の所の川は三面張りのいわゆるどぶ川だったので、鶴見川はなんて美しいんだろうかと毎日思います。
    氾濫されたら一溜りもないですが、だからこそ惹かれるのかも知れません。源流もいつか見てみたいな。

コメントするためには、 ログイン してください。