モードとロードス
もーどーでもいいわ、ドレスデンへは行けない
あばれまくる光子のランダムの
もとちか、さだいえ、さとこは散り散りに
モスリンの煙草の灰の
胡椒の瓶のふたがとれない
かすかな、もちはだの、ややうわむきの
商店街のひさびさの
靴下と足袋とおこしとへちますい
猫たちの声色で都市伝説はかまいたてる
若狭のトコタチノミコのみずら、うるうると
ハイデンベルグの鐘のゴーストゴーンと、乾燥空気振動する町
きらびやかにスクナヒコナは薬ぶくろひろいあげ
ままかんぞうのみちのくへと
ぱぱかんぞうの紫けぶる
ケバブする放送禁止用語であなたを見つめる
タチアーナよりも包装禁止されている
死体はここに捨てられている
やぶはふかく、部隊はさらにしげみの奥へとなにもかもの
ふかしぎの笑いカワセミを〈しげる君〉は正確にスケッチ
やっとこの更級日記のてふき望遠鏡の
けだるくかるがるとしげしげと君は白状せよと
鳴滝山の鬼の声がする白昼に
庶民的適合の精神がひるむことなく楽しき我が家へと申し開きする
今生の別れはついに日干し煉瓦の煙となりし
オルガの河に煉瓦船がすすまんとする
敏感な渡り鳥たちがそれをついばむのである
それは身寄りのない老婆の声で語る
しもたやの暗い廊下で飯を食う
それからわさびだへおもむかんとする
伊豆半島の景色がちりぢりになる
ロードス島は近づいている。
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