夢の中ー異国にてー

夕暮れを告げるサイレンとともにやってきた睡魔。
抗うこともなく受け入れ、静かに夢の中へ。

記憶している夢の一部をお話ししよう。

私はどうも異国へと訪れているようだった。
肌は浅黒く、袈裟のような簡単な服装と草履を身に着けた人たち。
言葉は何一つとしてなく、こちらを見ては通り過ぎていく。

私はとある雑貨屋にいた。
そこには色とりどりの布や革、そしてそれらからできた品が木箱に詰められていた。
生地は綿や麻が多いだろうか、少し毛羽だった柔らかな風合いのものが多い。
色は青や緑、黒といった寒色系の染め物と生成りのものが目に留まる。

私はじっといくつかの品を見ては、買うか買わないか迷っていた。
そのうち別の客が藍色に染まったジャケットを買っていった。
くるりと店内を巡ると、おそらくそれらしいジャケットを見つけた。
値段だろうか、”2000”という数字がタグに記されていた。

私はそのジャケットと同じ色の革の小物入れを手に取り、お会計をした。
その店から出ると、私は目から覚めた。
あいにくとそれらしい品は家のどこにもないが、どこか懐かしく現実的だった。
最後に私を見て笑いかけた店の人々が、あまりにも素敵だったのは忘れたくはない。

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