煙草は
急にお前の顔が出て来た
煙草を吸っている顔を
俺も煙草を吸っていた
手が動かないから
お前と会えば自由に
煙草が吸えたんだ。
お前は痩せていた
なのに俺を抱えてくれた
どこから力を出しているのか?
分からなかった。
俺はサングラスをしていた
照れ隠しにね
そんな俺を見て子供みたいだと
言っていた。
サングラスをしない方が
持てるかもしれないよ
「私が好きだから」と
俺の目を見て言ってくれた。
でも俺は今もサングラスを
している。
お前が俺から離れていた
夢を叶うために、新しい場所へ
行ってしまった
俺は俺を隠して「行って来いよ」
もう何十年になるけれど
あの頃のお前の顔を思い出す
煙草はもうやめたのに。
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