すいーとほーむ

かなりの雨が降ったので
キートンは〈量り売り〉の場所から
自分のためだけのマイクを忍ばせていた
ケラチンの帽子が雨に濡れて
はばをきかせている親分の
肩甲骨のあたりへと
手をのばせば殺されるのだろう
信頼されているからそれは無いだろうと
思うのだがキートンの家族は
〈ベルザン〉の言葉を半分以上信じている
だから金属製の仏壇にパソコンをつないで
未来の大統領と会話しているのである
黒人であることは、〈ビーナス〉である
その言葉とともに俺の妹は
幻視のカバーガールとなった
ヒロイックな気分で
拳銃を帽子の中に隠して
〈ようこ〉の相手をかもにして
幻視を伝わって奴の場所へと伝送される
まずは拙い詩のあいさつをして
それから拳銃を相手にむける
〈電子の像〉は時々ぶれるから
俺の弾はぶれながら飛ぶ
けれど確実にあいつの脳を貫通する
とても簡単な仕事だから
ヒロイックな気分にはなりにくいのだが
キートンは〈笑う〉
すいーとほーむは美しい。

投稿者

岡山県

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

コメントするためには、 ログイン してください。