デュアスアンテギュルマーの死について

13時であった。
その従兄弟のフィアルリゾンが言うには「たいがいの嘘もあの兄さんには見抜けるので」ということであったらしいのだが、当時の「右手を左手のように使って」という流行語に見られるある種の非人道的な振る舞いは、フェンテレス地方では御法度になっていたのではないか、もしくはキルモアーフ侯爵とその夫人があの例の粗末なお茶会での一件の教訓を元に、「それではアンテギュルマーの魂はとことん浮かばれないわ」という彼女の狂信的な言葉、あるいは100年後の思想家モーテンギルテンの文献をついに紐解いたと言われる最新の書物『文化矯正革命によってもたらされた唾石症とその文明』の中での著者H Mウェルギアの一文「わたしはニューマルノガイドをついに見つけたことにより全てを手に入れるだろう」というロアス卿の妄言から生み出された所謂『前ゾミーダファルド擬音の組み換えによる絶対的未数値の限界技法』を用いた呪術的崩壊がこの国に起きる事を、
実は彼女はわかっていたのではないか。
だとするなら悲しすぎる。

投稿者

神奈川県

コメント

  1. いつもながらの達人的命名術に痺れます。

  2. 2行目の“その”の使い方が少しだけ痺れるよねー信じているモノはしっかりあるのだけど敢えてここでは明かさないという或いは本当に信じているモノなんて持ってないのかもしれないよねー名詞も動詞もただの記号であるんよねーどう割り切るか(僕は割り切れないンだけど)無責任に直感的に述べさせて貰ったよーさらっと僕の戯言は流してくだされ。知らんけど。

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