うしろがみのせかい

うしろがみのせかい

くさりから解き放つしんくう
うしろがみ引かれるまもなく
ひろがる色とりどりのわだち

あおい列車がとおざかる
きおくにせいそくする蟲たち
じゅうりょくのままに堕ちていけよ

パンデミックのさなか
むいしきの游音がぢゃぷぢゃぷと
関心領域にこだまする

しんなりのびてゆくねじれた蔓草
きたいするルラシオンの緋文字
すりぬけるすなのうえの楼閣

投稿者

広島県

コメント

  1. あくまでも、そしてあまりにも、夏の虫たちの、光沢する背中の世界、じりじりと、砂にあごを埋めて、暗礁にのりあげる、ポリフォニー、そのうしろがみの、うらうらと。

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