あつものに懲りてなます和え物をふく(新釈ことわざ辞典その1)
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石橋叩いて渡る
こわごわ渡るくらいなら最初から違うルートを考えたらいいのに
それにもし叩きすぎて ホントに割れちゃったりでもしたらどうするのかしら
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二階から目薬ってホントに無理なのかしらね
100回に1回くらいは成功するような気がするんだけど
間違って口に入っちゃったり
全然見当違いなところに飛んでっちゃったり
それもまた楽しいじゃない?
最初から無理だと決めつけてしまってたら
何にも出来やしないと思うわ
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棚からぼたもちが落ちてきたってあなたは喜んでいるけれども
そんないつのものだかわからないものが落ちてきたら
まず臭いとかちゃんと確認しなけりゃ
それに もしも大丈夫だったとしても
それはあなたのためのぼたもちなんかじゃないのよ
どこぞの誰かが きっとそれを食べるのを楽しみに
今日もいそいそ仕事に精を出してるかもしれないじゃない
勝手に食べようとするなんて
盗人猛々しいにもほどがあるというものだわ
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豆腐の角に頭をぶつけて死んでしまえなんて
そんな死に方があるならもっと早く教えてほしかったわ
だって何の痛みも苦しみもなく逝ってしまえるのよ
こんな素敵な死に方ったらないじゃないの
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急がば回れっていうけど
遠回りしたがために事故に遭うことだってあるでしょうに
いつもの道を いつものとおり いつものスピードで
それがなにより それがなによりなのです
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犬も歩けば棒にあたる
人間歩けば自転車にぶつかる
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寝耳に水かけられてびっくりしている場合じゃないわよ
その人は間違いなく あなたに相当な恨みをもっている人間です
身に覚えがないですって?
いよいよ重症だわね
次は寝首を掻っ切られないよう
せいぜい用心しておくことだわ
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穴があったら入りたいくらいなのに
この世界のどこにも 入れる穴などありませんでした
ラッシュアワーのつり革に べったりとへばりついたため息と
中吊り広告の下世話な話題
誰よ わたしの後頭部に話かけてくる輩は
ダメなのよ 勘弁してよ その声でその言葉で
わたしの頭をぶん殴らないで お願いだから
こんな世界じゃ とても平静でなんていられない
どこに隠れても いじわるでやさしい人たちに見つかってしまうのです
いっそ消えてしまえたらと願ってしまうこともあるけれど
どうやらこの世界に隠れていい穴なんか
どこにも存在しない模様
誰もわたしのことなんか
気にしてやしないし見てもいないのに
自意識過剰にもほどがあるってものだわ
後ろでしゃべられるのにはホント勘弁だけど
どこから湧いて出てくるのかわからない
あの人の渦も未だに慣れないけれども
わたしだってその渦の中のひとりだって考えたら
ことさら動揺するほどの話でもなかった
喉も渇いたことだし そこのドトールにでも入って
アイスティとミルクレープでも食べてまったりしましょ
案外近くにあったじゃない 入れる穴が
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はきだめに鶴の 鶴のほうに生まれてきたかったし
鶴なら一声鳴きさえすれば 一発で伝えることができちゃう
いいなあ ズルいよなあ
なんてなことを思いながら
昨日買って冷蔵庫で冷やしておいた桃を
むしゃむしゃ食べる
午前3時
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最後までお読みいただき、ありがとうございます
ことわざってある意味
昔の詩人が生みだした言葉なんじゃないかなぁ、と
うまいこと云うなぁ、なんて感心したりもして
昔からあることわざを今でもずっと使い続けているわけですが
何故に現代のことわざというものが生まれないのでしょう
とふと疑問に感じたので
ことわざに、ちょっと物申してみました
いつもの詩とは違うので
気楽な気持ちで、馬鹿なこと云ってるわ
くらいの感じで読んでいただけたら幸いです
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