少女のための四つのストラテジー
少女はその瞬間死を超越している
もとより死に縛られた我々に勝ち目はない
１）
ゆるやかな流れをたどり
登りつめれば
そしてそこは
おまえの来るところではない
そいからかしずかれ
そいから食べられちゃえ
そいからおまえが
どれだけらしくなったのかを
わたしは知らない
２）
わずらいつつある
無力な群衆の中にあっても
あなたの白い顔は
高らかに独立を謳いあげる
衰弱した
心やさしき人々の中にあっても
あなたの絹の肌は
容赦なく存在を主張する
押し寄せる悲しみの波を
あなたの肉体は認めない
押し寄せる画一化の波を
あなたの美貌は認めない
それらのものを
残酷なまでに認めないあなたは
少女
３）
この世の全ての辻褄が合ったように
あるいはシャッターのように
漂っていたボクの視線が
カシャっと音をたてて
キミの視線と一致した瞬間
去っていく血とともに
脳下垂体をひっぱられるような
快感を感じていた
なんて言うとキミは
イヤーンなんてするように
なんてするだろう
というヒプノス結合を
食べてしまった
４）
知ってるんだ
あのこは少女なんだって
君だって知ってるんだろ
だけどね
あのひとは
忘れちゃったんだって
きっと
忘れたふりしてるだけさ
だってそうだろ
僕たちは完全に負けてるんだ
まったくかなわないよ
だってそうじゃないか
少女は
うっかり目をはなしたすきに
すっかり別人になってしまうんだもの
コメント
そうよねーちょっと目を離した隙に変わっちゃうンだもんなーそれに全然教えてくれンのよねー僕らは僕らで変なふうに変わっていってしまったがねーイヤーン！これまた三人並んだやん！胸熱やん！マダムヤン！
並べたくなっちゃっうよねー。不思議なもので、十種さんから始まった連作みたいに四つが繋がってる気になります。
私自身は創作物と対面するといつも何処かで最初に些細な違和感を
些細すぎて取りこぼすこともママあるのだろうけど、あれ？という
箸が止まるときに何度も見てしまうことがありました。今もそうで、
年老いたせいか根が曲がっているせいか痛い目にあってきたせいか
影響を受けたくないならＡＩと楽しむ程度で創作物に触れなければ
良いのでしょうが象徴としての少女の輪郭が震えている感じがして
ああ、こりゃまたやってしまう（コメント）と思いました。
（都々逸）暮の会合めしいる婆婆は真顔フレイル夢のなか らどみ
@三明十種
それもまた十種さんの影響力なのでしょう。コメントありがとうございました！
@トノモトショウ
並べたくなりますね。でも作品が作れなければ無理。そんな折、トノモトさんのイマジンに触発されました。イマジンじゃないけどレノン繋がりで、昨日のウィークエンドサンシャインでレノンのWalls And Bridgesが紹介されていて、あれ？そのアルバム持ってたっけ？と調べてみて持ってました。そして今更ながら少年レノンの落書きを元にしたこのアルバムジャケット、凄くカッコいいなと気づいた次第です。
@足立らどみ
都々逸のおばあさんはきっと少女の頃の夢を見ているのでしょうね。素敵な一句ですね。コメントありがとうございました！
出だしからクールが過ぎるわと感嘆しながら4つの世界を駆け抜けました。旧知の仲の詩人たちが相互に現在を刺激し合うのを見ながら、ジェラりながらそこに並べる勇気がなくて（笑）少し間をあけて投稿することになりましたー。
@あぶくも
いえいえご謙遜を。こちらこそ、あぶくもさんの詩にはいつも刺激を頂いています。コメントありがとうございました！