汚染

赤黒く　
どろどろした
心のようなもの
自分の中に確かにある
どこにあるのかはっきりせず
なんとか　取り出せるものならば
燃えるゴミの日に出してやりたいのだが

その赤黒いやつは
幸福という文字を汚染する
名誉ある人の帽子に足跡をつけて
美しく整備された道に痰を吐くことも
いろんなものをフンまみれの銅像に変えてしまう
それでいてふてぶてしい態度でフンぞり返り
二言目には「全てインチキだ」という
自分だけは真実を知っていると
思っているらしいのだ
インチキだ
全て

赤黒は　
時々発作のように　膨れ上がるが
どこで　膨れ上がるかはわからないから厄介だ
私の目つきは険しくなり　誰も私に近づこうとしなくなる

耐えかねて
吐き気をもよおす
トイレで大量に血を吐く
それは赤黒く　どろどろとしている
便器も床も　私の衣服でさえも　赤インクの壜
体外に出すことができたと　安心して床に崩れるのだが
「そうはいかないぜ」と誰かがささやくところまでは覚えている