あなた(改訂)

あなた(改訂)

あなたが望んだものが
今日少しだけ見えた気がしたので

鳥たちの声が聞こえること
咲いた花の色が見えること

手が届かないところにあることを伝えるために
星は星と呼ばれること

人の流れの中に立ち竦んで
もう一歩も進めない人がいること

手を差し伸べること
つらい時にも笑うのを忘れないこと

ひかりのおとをきくこと
おとのなかのいろをみること

かたちあるすべてのものの
いのちにふれること

大人の親指ぐらいのスズメバチには
道を譲ってあげること

あなたを忘れないこと
受けた仕打ちを許すこと

まあそれはたとえば
あなたに秋果のいちじくを食べさせたいと思うような

そんな洒落た思い出でもあって
もう通り過ぎてしまった季節なのだけど

何も出来ないなんてこと
ないんだなって

たぶん
あなたにも見えないものがあって

読めないものがあって

指先で蝶の羽根をなぞるように
イルカの背びれを描くように

わたしはそれを書いてあげたいと思うのです
とても平凡な幸せを望んだあなたの

夢を叶えるために

投稿者

神奈川県

コメント

  1. 優しくて素敵な詩ですね!

  2. @雨音陽炎
    ありがとうございます!

  3. 「ひかりのおとをきくこと
    おとのなかのいろをみること」
    ここ、とっても素敵ですね。

  4. @あぶくも
    書いていても意味の分からないことには、きっと理解できないだけの意味があるのだと思って書いています。
    有難うございます。

  5. この詩の全体で 大切な物事を伝えていると感じました。

    夢を叶えるために

    この詩の最初から ずっと拝読してきて、最終行のこの言葉に感動。
    すてきな詩です♪☆^^

  6. @こしごえ
    非凡さこそ生き甲斐という頭をしていると、なかなか本当の幸せに辿り着かないんだなぁ、と思い至った時の詩です。
    有難うございます。☆

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