到着ロビー
家の隣に大きな空港ができた
生活は少しずつ変わり
通勤が楽になった
夜明け、窓から手を伸ばすと
冷たい滑走路に触れることもできる
到着ロビーの雑踏の中
洗剤を買いに行ったきみの
帰りを待ってる
こんなにも沢山の人がいるのに
きみがいないだけで
いつまでもひとりぼっち
ずっとひとりぼっち
家の隣に大きな空港ができた
生活は少しずつ変わり
通勤が楽になった
夜明け、窓から手を伸ばすと
冷たい滑走路に触れることもできる
到着ロビーの雑踏の中
洗剤を買いに行ったきみの
帰りを待ってる
こんなにも沢山の人がいるのに
きみがいないだけで
いつまでもひとりぼっち
ずっとひとりぼっち
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コメント
こんなにたくさんの人がいるのにきみがいないだけでひとりぼっちの一文に鷲掴みされました。
@たかぼ
たかぼさん、コメントありがとうございます。いいお年の社会人ですが、社会や人から逸れようとする癖があって、奥さんがそこを繋ぎとめる感じです。現実味を与えてくれるような。
最初の8行ですべて順調な様子が描かれているのに、最期の4行で急転直下するところ、その反転が私の心をわしづかみに。「ひとりぼっち」の繰り返しもグッときました。そして
夜明け、窓から手を伸ばすと
冷たい滑走路に触れることもできる
この2行は小説が逆立ちしてもできない詩的技法で、ここに詩の可能性を感じました。読み応えのある作品だと思いました。
@佐藤宏
佐藤宏さん、コメントありがとうございます。
人って複雑な世界線を生きてるのだなあ、と感じます。人だけではないのかもしれませんが。悲しみや喜びは明確に線引きされるわけではなく、グラデーションを作りながら、流動しながら。
小説、そうですね、詩が小説の概要版だったら、寂しいですよね。詩を読むのはやっぱり楽しいです。