夏空
裏窓を覗き込む
一艘の夏列車が停留していて
すっ、と
深呼吸を終えた
風を追いかける風の後ろ姿
もぬけの殻になった頁
ノートの終点にはいつも
書きかけの詩がある
男が現れて
いいものがありますよと
虹の標本を見せてくれた
けれど男はそもそも
現れなかった
裏窓を覗き込む
一艘の夏列車が停留していて
すっ、と
深呼吸を終えた
風を追いかける風の後ろ姿
もぬけの殻になった頁
ノートの終点にはいつも
書きかけの詩がある
男が現れて
いいものがありますよと
虹の標本を見せてくれた
けれど男はそもそも
現れなかった
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コメント
虹の標本を見せてくれた。の一行にはじまりからの、抑制された言葉が、真実であったのだと、感じられるのです、この現れない男にたいして、《ありがとう》と言う、夏のおわり、です。
夏空、夏の幻想を思います。空、にはウソという意味もありましたよね、たしか。
この詩の、詩の強度のバランスなどに惚れ惚れします。
@坂本達雄
坂本達雄さん、コメントありがとうございます。暑い日が続きましたが、来週からはこちらは涼しくなるようです。夏は終わるのかな、終わりと始まりを沢山見てきた気がします。けれと、実は何も終わってないし、何も始まっていないのかも、なんてぼんやりと思いながら、今しているのは旅かもしれません。
@こしごえ
こしごえさん、コメントありがとうございます。詩の強度、言葉の強度、憧れるてるな、ずっと。季節と自分とが溶けてごちゃごちゃになりそうな時に、皮膚の強度がなんとなく支えてくれてるのかな、なんておもいます。