2024年の津波

何かが始まりそうな
興奮なんて
もう何年も味わっていない
だから考えたんだ
何故なんだろうって

悲しみも喜びも感情の
コピーのコピーのコピーの
繰り返しで
どんどん薄まって
最初がなんだったかさえ
もう思い出せない

俺が子供の頃
味わったパンクの魂は
3世代を超えて
今に至る
グリーンデイがパンクですとかと
アホが書き散らかしてる世界線で
iPhone持ってるから
パソコン持ってるから
もう何でも出来るわと
勘違いしてる
そこのあなた
まずはiPhone捨てなさい

お望み通り
わけわからんところまで
こうして俺たちは
来るべくして来たんだ

2011年3月11日
東北で地震が起こり
福島原子力発電所が爆発して
津波が起きた
日本人なら知ってる
自分が何も出来ない
無力さと絶望
流した涙の後で
俺達は自分達で
出来うる限りの事をやった
そして復興に向けて
絆の名のもとに
全力で何かをやってる気に
させられたものだ

だがしかし今
俺は自分に問う
本当にできる限りの事を
俺はやったのだろうか?
Noだ
俺は金だけだして
現地には行かなかった
恥ずべき告白をすると
放射能が怖かったからなんだ

家の中にいる黒猫が
無言のまま
俺の今を
じっと見つめている

津波は容赦なく
押し寄せて
何万人もさらって行った
家やコンクリートや車や木々
人々の思い出や財産を
容赦無くかっさらって行った
俺は遠くの安全な場所で
その様子をネットで見てた

過去を失くし
今を失くし
未来を失くし
その後に残ったのは何?

綱引きをする情報に
踊らされた状況の中でも
金や利権ばかりが横行し
人々が懸命に努力して
築き上げてきた全てを
無慈悲に奪い取り
何万と言う人達の
個々の物語りを
死をもって
津波が奪い去って行った
それが現実のストーリーだった

海は一体誰の物なんだろう?

無知と貧困につけ込んで
土地の切り売りと搾取は続いた
金の為に原発の処理に
行ったやつらが
笑いながら
放射線に晒されている頃

子供達を工場で働かせて売るNIKEの靴やユニクロの服なんかを
無知な奴らが嬉々として身につけデパスを飲んで
全てを忘れようとしていた

俺が知ってるパンクの精神は
金がなかったら服は
自分で作るだった
俺が知ってるパンクの思想は
与えられたモノなんか
俺は絶対にごめんだぜ
だった
アティチュードこそが
未来をこじ開ける鍵だった
はずなのに

時が経った今
昨日の夜何食ったかすら
忘れがちな
ポンコツの脳みそで

過去を失くし
今を失くし
未来を失くし

立ちすくんだ場所から
泥にまみれたNIKEを捨てて
誰かの夢の破片だらけの路上を
歩いていたら
俺には見えた景色がある
そこはデストピアで
最後は皆んな祈るしか
手立てがなかった

俺たちが何者でも今は関係ない
学者でも専門家でも医者でも
バカ社長でも宇宙人でも未来人でも
小学生でも受け子でもカケコでも
ペテン師でも詐欺師でも山師でも
ジャンキーでSNSの住人でも
なにじんでも黒人でもカンボジア人でも阿弥陀如来でもジーザスクライストでもバチカンに打ち込まれるミサイルでも永世中立国じゃなくなったスイスでも
ゲイでもレズでも引きこもりでもニートでもDSでも
かたわで、どめくらで、つんぼで、嘘つきで、性病持ちの
嫁の尻にしかれた
腰の痛い動けない野郎でも
多様性を感じる
ダイバーシティでも!

豚の自由を燻製ベーコンにして
豚のエサにしてる豚を
知らずに
食わされてる豚野郎でも!

傍観者になるな
暴力装置に負けるな
同調圧力に負けるな
乗っ取られて
死んだふりをして生きるな

投稿者

東京都

コメント

  1. 福島県に私の親戚が今も住んでいます。
    東日本大震災の翌年ですが、私はその親戚の家に行って来ました。でも、震災が起きたすぐとか、その年には行かなかった。。。でも、私達を責めることは、その親戚家族の誰一人としてしなかった。それどころか、今年、その家族は、私の家まで来てくれました。
    以上のことなどは、言葉では分かりにくい気持ちや事情などがあってのことですが、未だに、その親戚家族が、私と私の家族とのつながりを持ってくれていることなどは、とっても ありがたいことだと思います。

    かみるさんの この詩を拝読して、以上のことを思いました。
    2024年の津波 というタイトルにもあるように、この津波は、現在もあるんだということ。
    かみるさん、大切な詩を書いてくれて、ありがとうございます。
    勝つことは出来なくても、負けないようには、生きて行きたいです。

  2. @こしごえ
    長い詩を読んで下さりありがとうございます。あの津波から何年も経ちましたが、あの時の気持ちを上手く表現できないまま、年月だけが過ぎてしまいました。
    今だに、よくわからない。
    何と表現すれば良いのか、、
    自分が死ぬまでに
    答えを見つけたいと、思っています。あの津波は僕の中で、まだ続いています。

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