十四歳

気怠い放課後の生徒会室は
斜光で砂埃が浮かびあがり
其の様相の片隅で
私は頬の面皰を潰しながら
あなたの汚い文字を読んでいた

数週間前の空梅雨の雨の日
団地の踊り場で接吻をした
塾の前にも慌てて接吻をした
あなたの季節に侵入しようとしたが
私はまだ原理に気付いていなかつた

十四歳、
なんにでもなれるものではない
精通しただけで、ほら
くるしくくらいみちのりだつたろう

あなたの季節は
誰のものになつたのだ

あなたの季節は
誰のものになつたのだ

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コメント

  1. 中二病という言葉があるぐらい14歳というのは一種独特な年齢ですよね。楳図かずおの漫画にもあるし、言わずもがなエヴァンゲリオンの主人公たちも14歳ですよね。私はやや奥手だったのでいわゆる中二病にかかったのは中三ごろでしたが。この詩に書かれた気持ちがよくわかりました。

  2. 暗い青春の始まりみたいなものが表現されていて逆に安心感があります。私は結局十四歳のまま原理もわからないままかも知れない。最後がまたたまらないですな、これ。

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