「自己犠牲」

足を切った
家族を飢えさせないため
自分が餓死するのを防ぐため
あのときは仕方なかった

もう一本、足を切った
自分の不甲斐なさに呆れながら
まだ幼かった子どもは
なにも知らずに平らげた

私は強い魔物なのだろうか
二本の足は生えてきた
パートタイマーの妻は
相手にもしてくれなかった

静かに生きてきただけなのに
何が悪かったのだろうか
歳をとり振り返った私は
失足感は残るものだと知った
 

投稿者

東京都

コメント

  1. この詩の最初から ずっと来て、最終連が特に いいなあと感じ、ポイントに至りました。

  2. 同じタイトルが並んでいたので思わず驚いてしまいました。人によって、生き方捉え方は違うんだと改めて感じました。この詩も自分の詩も最後は笑えていて欲しいと願います。

  3. @こしごえ さん
    @御坂葵 さん

    コメントありがとうございます。

    これで送ると同朋メールみたいに
    届くのかなあ。

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