夏の翳
夏の翳は、
どれもこれも短足で
特に根本はめり込んでて
それが羞ずかしいのか
出たり入つたり
してゐる
夏の翳は、
ゆふらゆふらと
アスフアルトの黄線の上で
睡たげに
淡くなつたり
濃ゆくなつたり
(一雨、狂イさうだ)
夏の翳は、
染み入るやうに退いていき
頭の後ろの方で
入つていつたり出ていつたり
してゐる
足音。
夏の翳は、
どれもこれも短足で
特に根本はめり込んでて
それが羞ずかしいのか
出たり入つたり
してゐる
夏の翳は、
ゆふらゆふらと
アスフアルトの黄線の上で
睡たげに
淡くなつたり
濃ゆくなつたり
(一雨、狂イさうだ)
夏の翳は、
染み入るやうに退いていき
頭の後ろの方で
入つていつたり出ていつたり
してゐる
足音。
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コメント
そういう夏の情景か。入道が夏に出たり入ったりするたびにゆれる翳。足音に聞こえるほどの大粒の雨が落ちてきた。
真っ白なもくもくした積乱雲が黒ずんで行く。やって来るのはゲリラ豪雨か夕立か。実際の風景と頭の中で描かれる風景が渾然一体となるような雰囲気が良いですね。
この詩の全体的に、夏の幻想的な空気感が よく表されている・現されていると感じます。
2連の翳の様子は、翳の美しさを趣深く描き出してあると感じます。
「狂イ」は「クルイ」と読むより「キ⚪︎⚪︎イ」と読みたくなりますね。
この詩は凄い。自分には書けないです。