夜の道

陽も落ちかけた 誰もいなくなった公園の
ユラユラ揺れるブランコと
置いてけぼりの砂の城

鬼さんこちら 手のなる方へ
鬼さんこちら 手のなる方へ

ひとりぼっちの影ふみ遊び
追いかけても追いかけても
逃げていくばかりの自分の影

鬼さんこちら 手のなる方へ
はやく来て来て 捕まえに

鬼さんこちら 手のなる方へ
手のなる方にはなにがある

西の空には折れそな三日月
ぽつんとひとつ

淋しくなんかないよ
なんて強がりは 二度と口にしません

勝ってうれしいはないちもんめ
負けてくやしいはないちもんめ

あの子がほしい
あの子じゃわからん
相談しましょ
そうしましょ

勝ってうれしいはないちもんめ
負けてくやしいはないちもんめ

あの子はいらない
あの子じゃわからん
相談しましょ
相談 いらない
いらない子はあたしです

かごめかごめ
かごの中のトリは
いつまでたっても出会えない
よあけのばんにつるとかめ
すってんころりんころがって
いたいよいたい
うしろの正面 だれでしょね
うしろの正面 だれでしょね

ケンケンパッパ ケンパッパ
待ちあぐね 待ちくたびれて ケンパッパ
いつの間にやらあたりは夜で
青白い街灯 灯りだす

ユラユラ揺れてる影法師
どうか家路を照らしてよ
あたしを待つ場所 照らしてよ

迷子の迷子の仔猫ちゃん
あなたのおうちはどこですか
捨て猫預かり場所ならここですよ
おまわりさんはわらいます
おまわりさんはわらいます

誰も見つけにこないかくれんぼ
もういいかい まあだだよ
もういいかい もういいよ
どんなに叫んでみたって
こだまするのはただ 自分の声ばかり

もういいかい もういいかい
まあだだよ まあだだよ
もういいかい もういいかい

もういいかい

頭上にはいつの間に
折れそな三日月

ぽつんとひとつ

投稿者

東京都

コメント

  1. さまざまな歌が切なく響きます。

    この詩の最後のほう

    もういいかい

    頭上にはいつの間に
    折れそな三日月

    ぽつんとひとつ

    このところが、その切なさを後押ししている。
    情景が浮かびます。
    でも、この詩の その切なさが またいいです。

  2. @こしごえ
    さんへ

    おはようございます、こしごえさん
    コメント、ありがとうございます!

    切なさが伝わっていただけたのなら嬉しいです

    童謡やわらべ唄って、結構悲しかったり怖かったりってあると思うんですが
    そこに幼女の、ひとりぼっち感というか心細さというか
    そういったものが表せられたらいいな、と思いながら描いたので

    ありがとうございました(^^)/

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