lullaby
生まれた日のこと
覚えている
横顔 カーテン越しの光
とうめいな産毛を揺らす 風
まぶしさを抱きよせて
目を閉じて 耳をすます
知っていること
ぜんぶ 忘れてしまっても
何も怖くはないでしょう
いっしょに毛布にくるまって
メロディ 耳鳴り 遠い 風
生まれた日のこと
覚えている
聞かせて その話
次に目が覚めたときには
生まれた日のこと
覚えている
横顔 カーテン越しの光
とうめいな産毛を揺らす 風
まぶしさを抱きよせて
目を閉じて 耳をすます
知っていること
ぜんぶ 忘れてしまっても
何も怖くはないでしょう
いっしょに毛布にくるまって
メロディ 耳鳴り 遠い 風
生まれた日のこと
覚えている
聞かせて その話
次に目が覚めたときには
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コメント
聞かせて その話
次に目が覚めたときには
(私的に、この詩の 一つの読み方として)
なぜか、この最終2行で、生まれ変わって生まれて来た時には 聞かせて その話、と頭のなか、いえ、こころの芯で思いました。これは、全体を通してからの、ふしぎな感覚から来るものだと思います。そこが、この詩の妙だと感じます。
タイトルからすると、生まれた日のこと覚えているのは、初めのは親の視点で子どもが生まれた日のこと、二度目のは子どもの視点で自分が生まれた日のこと覚えてるよって寝入り前に話し出したようなイメージが浮かびました。読者がいかようにでも読めそうなところも素敵ですね。
@こしごえ さん
ありがとうございます。
主体も時間軸も曖昧にしたかったので、そういう読み解き方も大歓迎です。
@あぶくも さん
前述の通り、誰の目線なのかを明示しない曖昧さを、詩の中に閉じ込めたかったので、鋭いご指摘ありがとうございますという感じです。
安定感と不安感、喜びと恐れなど、様々な感情が複雑に絡み合っているように感じるよねー生まれた瞬間の喜びだけでなく、新しい世界への不安や期待も…
@三明十種 さん
ありがとうございます。
生まれた瞬間から常に、「いま」は死に向かう中間地点。ときには、ずいぶん遠ざかってしまった始まりの場所を思い返してみたくなりますね。