走った

ビーカーに触れると
質感のように剥がれていった
午後の授業はこの理科室で
いつまでも続くのだと思った
ショウリョウバッタしか
見つけられない
そんな真昼の夏の日があった
ただ大声で笑いたかった
ただ笑いたくて
蒸気機関車の真似をした
走った
走った
多分
走った、だった

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