昔むかしのおはなしよ

昔むかし、ある村落に歩き疲れたひとりの旅人がいた
旅人はどこか今夜ひと晩泊めてくれる家はないかと探していると
一軒の茅葺き屋根の家にたどり着いた
「こんばんは、夜分にすみません
今夜ひと晩泊めてはもらえないでしょうか」
旅人の申し出に、家人は少々驚いたものの快く応じ
「随分お疲れのご様子で。汚いところですがゆっくりしていってください」
お風呂を沸かし、旅人が湯につかっている間に食事の支度をし
ご馳走とまではいかないが、旅人に振舞った
お酒もちょっぴり出したり

奥の座敷に蒲団を敷いてもらい、床につきながら
いい家にめぐりあえた、いい人たちでよかった
と夢見心地でいると、襖の奥から何やら話し声が
旅人が襖の隙間から物音立てないように耳をそばだてていると
「明日の朝はどうするかね?」
「皆殺しにするか、半殺しにするか」
見るとご主人がなにやらずっと包丁を研いでいる
これは大変だと驚いた旅人は、急いで借りた浴衣を脱ぎ捨て
行李に荷物を適当に放り込んで
一目散にその家から逃げ去っていくのだった

おしまい

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最後までお読みいただき、ありがとうございます

この詩はホラーではありません、笑い話です(^^)/

投稿者

東京都

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