鎌倉のひと
雨上がりの朝・・・
銀色の雨脚に濡れた若葉に
眩しい陽射しが降り注ぎ
新緑に染めた季節の風が
そ~と開けた窓から入り込み
白いカーテンを揺らします
昨夜の月夜・・・
山ぎわの空に浮かぶ
紫がかった横雲の間から覗く
月明りを眺めながら
優しさゆえに 何も云えず
涙を浮かべて微笑む君
繋いだ手の温もり決して忘れない
浴衣姿・・・
清冽な水の流れが似合う鎌倉
風鈴を揺らす風に はだける浴衣の裾
気にしながらさりげなく歩き
なびく髪が似合う 可憐な君
うなじに光る汗が 何故か愛おしく
私はひっそりと 心をときめかせます
蝉時雨・・・
蝉時雨の音に包まれた 幸せの二つの影に
小さな夢を募らせ
涼風にたわむれる下駄の音を 楽しみながら
さりげなく歩きます
コメント