オキシタル (二)
石から生まれるその姿は
完璧な未来の人間自身の像であろうか
ふいにそれらを観測されたものであると言う
ふいにそれらは〈まがいもの〉であると言う
どちらにしても、ふらついている
敏感なスナップはテーゼのこちら側にいる
その後退する後頭部の辮髪
そして成形された木の枝の一部に
人間自身の顔が悟りの境地を凹凸する
すべりだした大地のかなりの実物大の図柄で
発展的都市の計画図との〈ずれ〉は唸り出す
人がここに立って手をこちらに差し出して
その飼い葉桶には天使の子どもが眠る
古代的都市の電灯のあかりで顔を見るときには
ひとつの理解しがたい事実の積み重ねの
場当たり的な証明式でここに証明するものとなり
決して事実ではなくとも、現実の力です
その首に巻いたトカゲのようなはださわりの良い
とても気球体の干されている
都市空間の広場の沈黙の場所では
あなたとあなたの理解が、必要です
音楽的空気が広場の一角から進み出て
干からびた空気の匂いでわたしどもの信管にすみやかにきたる
あらそいを避けて、飲み屋の椅子にすわると
そこではもう都市は崩壊するはずだというのである
これは古代の神官の袖口の言葉である
ムカシトカゲの体液の純粋に加工されている
ひとつめの鉄砲の音である
武蔵の国で立ち上がる彼等の
アルコールの匂いと内臓の音楽
それでもオキシタルは薔薇の香りです。
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