万太郎方舟物語
貧乏で境遇に恵まれずまったくモテない男、万太郎にアイデアが生まれ閃きました。
この四十近くになる男は、どうすれば自分が社会的成功を収めて生を終えられるであろうかと真剣に考え、自らのルックスに思い至りました。ある日、万太郎は饅頭屋の容姿端麗なお姉さまに恋文を認めます。
「お姉さま、初めてお会いした時から、貴方のことが拙者忘れられませぬ。小生もう38になりますが、この歳で十二分に自らの容姿を活かした仕事をこなすのは難しい。そこでお姉さまの力をお借りし、二人で容姿端麗な子供を授かりますれば、公にてその児童を売り込み、二人は大金持ち間違いありませぬ」
「まあ、なんて失礼な子でしょう」
と饅頭屋のお姉さまは、その手紙の内容に憤怒し、両親に見せました。母親はお姉様以上に憤怒し、激怒致したが、父親は冷静に受け止め、お姉様を説得しました。
「気持ちはわかるが、その子の言うことは間違いないよ。お前は町1番の美人だろう? 彼もまた千人に一人いるかいないかの容姿を持っている。二人が子を授かれば、大衆が偶像とせしめし容姿の子が授かるのは間違いない。その子がお金を作り二人の将来を約束するという読みも、自らの自慢話に終始して終わる人間と考えることの桁が違う」
尊敬する父親の論理的に説得力のある説明を聞いた饅頭屋のお姉さまは、フと我に帰り納得を致し、万太郎宛に返信を書くと、二人はあっという間に結ばれ、見事な容姿端麗な子を授かったと。
二人がその子を公に売り込むと確かにその子は大スターに。さて、万太郎自身の社会的成功はというと『容姿端麗なことはそれだけで十二分な能力たり得る』と文化人も申す通り、本人は不幸な境遇から冴えないまま鳴かず飛ばずでありましたが、二人の子供の噂を聞いた女性たちが、万太郎の子供に続けとばかりに声をかけてくる。万太郎の能力は容姿端麗な子供を作る能力。その能力者としてのピカイチに初めから彼の両親と周りの人間、引いては彼自身が気付けばよかった。万太郎は天下一のモテ男となりて、未来の可能性を切り開く人間として、永遠の物語の中へ。その上で付け足しに、万太郎の考案した恋文の内容からも万太郎の切れ者としての一面が垣間見えたことも見逃せまい。方舟に乗り遅れ万事休すと追い込まれていた四十近くの男は、生い立ちから必然として選ぶべきだった道を最後に切り札として選ぶことによって救われたのであった。
満々万太郎 満々満々万太郎
オレンジジュースをかき混ぜる
ストローいっぱい マンタロー!
満々万太郎 ムスコによって救われる
自らの容姿によって、社会的成功手に入れたー♪
満々万太郎 ムスコによって救われる
未来から来た方舟が 荒波の中を救いに来たー♪
満々万太郎 満々満々万太郎♪
イケメン男はいつでもいいぞ
イケるし抜けるし やりまくりだー♪
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