水球

雨樋を解体する音
水球を続ける少年たち
耳の奥底にある
何もないところで
あからさまな私語は
途絶えていった
水飛沫の色彩に
少年の一人が目を瞑ると
黙祷のように
放課後は終わった
それから風の葬式が
しめやかに執り行われ
翌日もよく晴れた

投稿者

コメント

  1. 「あからさまな私語」と「何もないところ」の対比がいいですよねー

  2. @三明十種
    三明十種さん、コメントありがとうございます。
     いろいろなものが無くなっていくんだろうな、と思います。そんなことも含めてすべてを受け入れなければならないお年頃です。

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