台風
台風が近づいている
コップにもオスとメスがあるのだと
あたなは言った
見分け方も教わったのに
難しくて理解できないうちに
あなたはこの話に
すっかり飽きてしまった
風が強まる
山本さんの傘が心配になる
山本さんがどんな人だったか
もう覚えてはいないけれど
傘が飛ばされるのは
可哀想に思えてならなかった
台風が近づいている
コップにもオスとメスがあるのだと
あたなは言った
見分け方も教わったのに
難しくて理解できないうちに
あなたはこの話に
すっかり飽きてしまった
風が強まる
山本さんの傘が心配になる
山本さんがどんな人だったか
もう覚えてはいないけれど
傘が飛ばされるのは
可哀想に思えてならなかった
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コメント
>コップにもオスとメスがある
ここを読んで、思わず手持ちのコップを見比べてしまいました^^;
単純ですね、もちろん、どっちがどっちかなんてわかりませんでした(当たり前か)
そんな話から、山本さんの傘が心配だ、という話に
山本さんとはどういう人なのか
友だちなのか同僚なのか、近所の人なのか
記憶の中の人なのか、色々と想像を巡らせながら
台風の中だったら、傘もお猪口になってしまうかもな
吹き飛ばされてびしょ濡れになってしまうかも
風雨に晒される山本さんを
何故か私も心配で気がかりになってました
今年は台風あんま来ませんでしたねー僕の考える詩って〈どう省くか〉なんですよねー極力シェイプして、読み手に拡げてもらうというか…登場人物の関係性もいろいろとれるし、なんかその読後のぱわーんとした未消化感ですかね、余韻なんだと思います。
@雨音陽炎
雨音陽炎さん、コメントありがとうございます。
時々、ふと、どうでもいいようなこと、昔あった本当に数秒の出来事、などを思い出すことがあったりしますね。
良くも悪くも、人の脳ってよくできてるなー、なんて感心してしまいます。
@三明十種
三明十種さん、コメントありがとうございます。
どう省くか、私もそのように考えていた時があります。
その考え方はテクニック的に有効であると同時に、詩を貧しいものとしてしまう恐れがあると最近は思っています。
あるだけの言葉を使って、きちんと自分の思いを伝える、それは詩に限らず、小説でもラブレターでも。
三明十種さんの詩を読みました。どう省くか、それだけでは書けない豊潤なものがあると感じました。多分、意識していないもっともっと複雑なことを私たちはしているのだろうなあ、なんて思います。
いろいろなアプローチで取り組むことができるのは詩の醍醐味ですよね。