阿吽の呼吸
その日は夕方までに
出張先を二箇所回る予定だった
庁舎の駐車場を出発する公用車のバン
やがて山沿いの県道を北へ向かって走れば
冷たい風に ながされる浮雲
天候も午後から下り坂
ハンドル握る主幹へ助手席からたずねてみる
どうしますか?
そうやな。
わたし、アソコがいいかなぁ。
アソコか。
午後の予定時間に余裕みて、ちゃちゃっと済ませた方がいいでしょう?
そうやな。寒いし、そうしようか。
はい。からだ、あったまるでしょ!
車内に満ちる あっさりとした長調の時の瀬音
後部座席で一人居る主任が、すかさず声を掛けてきた
なんなんっ、このふたり!
夫婦の会話やん。″アソコ″しか分からへんやん。
私は振り返り
呆れ顔している彼女へ笑顔を投げた
「Sさん、お昼、丸亀製麺でいいですかっ?」
ああ この一日、私たちの楽しみといえば昼食だけ
コメント
いい感じの会話劇ですね。後ろから声をかけてくる展開がいい。
もう、リリーさんたら。
夫婦の阿吽の呼吸で「アソコ」なんて云われたら
ちょっと、ムフフなことを想像しちゃったりもするかもですよ~(^^)
丸亀製麺、ってことで、ホッとしたような
な~んだ、といったような
不思議な気持ちになりましたよ~(#^^#)
@たかぼ
様へ
お読みいただきまして、ご感想のコメントをくださり
どうもありがとうございます!
これはほぼ、ノンフィクションです。(^ ^)
@雨音陽炎
さまへ
読んでいただいて、どうもありがとうございます!
コメントお寄せくださり嬉しいです。(*^^*)
実話では、″アソコ″が、「うどん」だったわけなのです。
この一点だけ、脚色しました。
ちょこっと楽しんでもらえたみたいで良かったデス。♪ ^^