夜明けを待ちながら

夜明けを待ちながら

夜明けを待ちながら
彼女の詩を読んだ

空色の服を来て
夕暮れに紛れ込んだ

死をうたった彼女は
死についてよく考えていた

そんな彼女もいってしまった

夜は明けた
朝露のかおり
けぶる町並み

閉じた本から栞紐がたれる
あたらしい今日がはじまる

投稿者

栃木県

コメント

  1. 作中の彼女へのリスペクトも伝わってきました。
    読みかけの栞紐と現実の彼女との関係性は有る無しの
    どちらでも、夜明けの暗闇に溶け込んでいるようで
    新しい朝(個人的には水たまりが凍るくらい寒い朝が良いのかなと思う)
    が始まるころには作者の1日がはじまるのだろうけど、普通なら、
    経験はある原因について振り返るときに考え思い出しがちだけど
    はじまるという未来に向かっている状態があるところで語っている
    作品なのだから、未来への目的(今日1日の夜でも良いけど)の
    意識無意識関係なくベクトルがある以上は、普通ではない、
    目的としての経験を語る可能性のある未来もあるのだろうと。

    そんなわけで、経験は経験者だけしか語る資格がないという短絡的?
    な発想にならないように捉えられるからなのか、より普遍的な作品に
    なっていくのだろうと思った。
    もしかすると、nekoboさんは詩作することに慣れている方なのかな?
    全体的に詩の要素がたっぷりある作品だと思った。ありがたいです。

  2. @足立らどみさん
    コメントありがとうございます。
    とても嬉しいです。
    文字にしていない部分まで見透かされてしまったようでどきどきです!
    見つけられてしまうと気恥ずかしくなりますね。もしかしたら詩を見てもらうことは、奥ゆかしいようで実は大胆なことなのかもと思いました。

    こちらの拙作を書くときに思い浮かべていたのは佐々涼子さんの「夜明けを待つ」です。僕はこの作品を文字通り夜明けを待ちながら読んでいた時期がありました。その時の気持ちと読書体験を当時描いた絵に添えてみました。

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